パティスリーのお菓子 一歩入れば甘い幸せがいっぱいのワンダーランド[フランス]
一歩入れば甘い幸せがいっぱいのワンダーランド
パリの一般的なお菓子屋さんの構成はまずアントルメと呼ばれる4人分、6人分で切り分ける大型のお菓子があります。このお菓子を1人分用に小さくしたものがパティスリー・アンディヴィデュエルと呼ばれます。
その他にガトー・ド・ヴォワイヤージュと呼ばれる焼き菓子、フルーツケーキやマドレーヌ、フィナンシェ、小さな袋に入ったサブレやクッキーもあります。
そしてショコラのケースにはボンボンショコラやフルーツを煮詰めてゼリーにしたパート・ド・フリュイ、ヌガーやギモーブ(マシュマロ)、そしてヴィエノワズリーと呼ばれるお菓子パンと、どれもお店のスペシャリティとして売られています。
またしょっぱいものもあり、おつまみにぴったりの小さなパイ、野菜やハムの入ったキッシュ、小型のピザやキッシュを販売しているお店もあります。
どのお菓子屋さんも通りに面したショーウィンドーにはお店の自慢のアントルメが並び、季節感あふれるウィンドウディスプレイがすてきです。
クリスマス、イースター、サクランボの飾りつけ、秋のブドウを飾ったシックなディスプレイ等、それぞれの季節のお菓子にちなんだウィンドーがまず目を引きます。
店内に入ると甘い香りとともにガラスケースの中に色とりどりのお菓子が並びます。棚の上には色は地味だけれど、きつね色のサブレやセロファンに包まれたフルーツケーキが並びナッツやキャラメルの入ったヌガーも……。店内に入った瞬間、誰もがお菓子の家を見つけた子どものようにワクワクするでしょう。
ルノートル氏は生前、「お菓子屋さんというのはお客様が一歩店内に入ったときに“嬉しい、楽しい”と思わせなければいけません」と語っていたものです。
このようにパティスリーはたくさんの商品を扱っており、地域のお客様にとても愛されています。
朝クロワッサンをひとつ買いに来た子どもが、夕方も学校帰りにお母さんと立ち寄っておやつのお菓子をおねだりしたり、「明日は孫たちが遊びに来るの。どのお菓子がいいかしらね」と店員さんに相談するおばあちゃまの姿を見るにつけ、お菓子屋さんは幸せと、楽しさを与えるところだなとつくづく感じます。
著者:内坂芳美
パリのスイーツ事情から、スイーツめぐりの楽しみ方、パティスリーのお菓子やグラシエ、おやつにも食べたいパン屋さんの紹介まで、パリのスイーツを楽しむための方法やコツが満載。
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