屋台の種類
炒め物、めん、その他いろいろ[タイ]
■ どの店で何が食べられる?
グリーンカレーを食べようと思ったけど「ここにはない」、パッタイを注文したけど「あっちの店だよ」などと言われた経験はないだろうか。
私は度々そういうことがあった。タイに初めて来た時、私が辛いのが苦手だからとタイ人の友達が「パッチーイウ」という料理を注文してくれたことがある。タイの焼きうどんで、むにゅっとした食感の太麺を肉、青菜、卵と炒めたものだ。醤油味でほんのり甘く、辛い料理をちょっと休みたい時に最適で、その名前だけは私の頭に刻まれた。そして数年後、1人でタイ国内を回った時、お腹が空けばばかの一つ覚えのように「パッチーイウ」と言い、人差し指を立てて「1つ」とジェスチャーで伝えた。
だけどなぜか「ないよ」と断れることもしばしば。空腹のまま違う屋台へ行っても、そこでも「ないよ」と言われる。どの屋台にも豊富な食材が並んでいるのに、なぜないんだ?と疑問が残るばかり。仕方なく、その屋台で何か作ってもらって空腹を満たしたが、食べたいものが食べられないとガッカリするもんだ。今思えば「注文屋台」へ行けばよかったのだが、当初はそんなことは知る由もない。
このように、せっかくタイにきたのに○○が見つけられなかったということがないように、どの屋台で何が食べられるのか、その屋台をどうやって見つけるのかを詳しく説明しよう。
■ 屋台は5つに分けられる
タイの町には、焼きそばの屋台の横で飲み物が、その横にラーメン、パパイヤサラダ、お菓子、カレー……と好き勝手に並んでいる。それぞれが売りたい場所で自由に売っているが、何か決まりごとはあるのだろうか?
答えはイエス。確かに飲み物もカレーもラーメンの屋台もごちゃごちゃ無秩序にあり、どういう順に並んでいるというルールはないが、いくつかのカテゴリーにわけることはできる。
大きく5つに分けると、以下のようになる。
1. ラーメン屋台
2. 惣菜屋台
3. 注文屋台
4. 専門屋台
5. フルーツ・飲み物・お菓子屋台
それぞれの屋台でどのようなものを売っているのか、どんな特色があるのかは後で詳しく紹介しよう。このルールさえ覚えてしまえば、焼き飯だったらここ、レッドカレーだったらあそこという具合に面白いようにいろいろなタイの味を渡り歩けるようになる。そうなれば、町に出て屋台を探すのが楽しくなるに違いない。
■ どんぶりマークが目安に
どこで食べていいかわからない時の目安として、「お客さんで賑わっている店」というのが挙げられるが、もう1つの目印に「どんぶりマーク」というのがある。これは模様が入ったどんぶりの形をしたマークで、タナッシー・サワディワットという料理通の男性がタイ各地を食べ歩き、「これはいける!」と思った店に与えているものだ。石油会社の「シェル」がスポンサーになっていて、タイでは「シェル・チュワンチム」(「シェルのイチオシ、食べてみて!」)と呼ばれている。
これ以外にも、新聞のコラムニスト、メーチョイ・ナンラム氏による「パープ・ピサダーン」マークもある。
これらのマークは、レストランや屋台だけでなく、お菓子や食材などありとあらゆるものに与えられているので、目にする機会も多い。地方のお土産屋さんで軒並みこのマークをつけているなんてこともあり、どの店で買ったらいいかよけい迷うほどだ。
マークを与えた後は定期的に味の確認をしているわけではないので、必ずしも「このマークがある=おいしい」、とはいえないが、どこで食べたらいいか迷った時に参考になるかもしれない。
著者:岡本麻里
タイの屋台事情から、屋台を見分ける極意、注文の仕方まで、タイの屋台めしを味わうための方法やコツが満載。
【Yubisashi Shop】 ワンテーマ指さし会話 タイ×屋台めし