心ゆさぶるデンマークの焚き火〜夏至祭〜
『旅の指さし会話帳 デンマーク』著者の鈴木雅子です。
★6月23日に行われる理由
デンマークでの「夏至祭」は6月23日の夜に行われます。
便宜上「夏至祭」と書きましたが、実際の夏至は6月21日頃です。
なぜ23日の夜なのでしょうか?
デンマークでは6月24日をSankthansdag(サンクトハンスダー)といいます。
Hansとは洗礼者ヨハネのことで、6月24日が誕生日とされています。
デンマークがキリスト教となる以前は、夏至の頃にお祭りをしていたのですが、これがキリスト教伝来ののちにキリスト教のお祭りとなったそうです。
現在のお祝いの仕方はこれらふたつのものが混ざっています。そして、お祭り自体は、その前夜Sankthansaften(サンクトハンスアフテン)に行われます(同様に、デンマークではクリスマスも前日24日の夜にお祝いをします)。
★大きな焚き火にこめられた意味
当日は、夕方から様々な場所で焚き火がたかれ始めます。
日本人がイメージするだろう焼き芋を焼くような小さなものではなく、かなり大きな焚き火です。
これは、キリスト教以前の信仰から、焚き火をたくことで太陽の力を強くし、また悪霊を祓うためです。現在では、魔女の人形を一緒に燃やしています。
この時期は日が長く、デンマークでは真夜中近くまで日が沈みません。焚き火を始める時間帯はまだ明るく、徐々に濃紺の空が広がっていくという感じです。
コペンハーゲンのような都市では分かりませんが、郊外の一軒家が並ぶようなところではこのお祭りの前にはどの家も庭の木々の手入れをしています。というのも、これらの木々が海岸や広場に集められて焚き火となるからです。
★雨が降ってしまうことも!
とはいえ、なにせお天気の悪いデンマークです。焚き火ができるような天候でないこともままあります。
かく言う私も、この時期にデンマークに滞在したおり、当日はあいにくの土砂降り。あきらめて友達と家で夕食を共にしていたこともありました。
けれども、Sankthansaftenに雨が降るとその年は豊作となる、といういわれもあるので、それはそれでいいことなのかもしれません。
ちなみに今年のデンマークは異常気象。
このところ全く雨が降っておらず、乾燥しきっている状態のため、このまま雨が降らないようだと、地域によっては焚き火を禁止するところもあるようです。
Sankthansbål(サンクトハンスの焚き火)で検索すると、たくさんの焚き火の画像が見られます。
SankthansbålをGoogle検索6月23日以降のインスタで、今年の夏至祭の様子がたくさんupされていると思いますので(天気がよければですが、、、)ぜひ見てみてくださいね!