トイレを表すドイツ語
旅の指さし会話帳ドイツ・著者の稲垣瑞美です。
ドイツ語でトイレというと、
・フランス語由来の die Toilette (トワレッテ)
と
・英語の water closet の略語 das WC (ヴェーツェー)
後者は、私はあまり耳にしたことはありませんが、標識、表示でよく見かけます。
●相手によってトイレの言い方も異なる
指さしの脚注でも書きましたが、家族や友達など親しい間柄の場合は、das Klo (クロー)が使われます。
幼児の「おまる」は das Töpfchen (てㇷ゚ふヒェン)といい、ドイツ語の名詞の語尾に chen が付くと小さいものを表すのですが、この「おまる」由来で、der Topf (トㇷ゚ふ)なんて言われることもあります。
また、昔、家の外の小屋にトイレがあったことからdas Häuschen (ホイスヒェン)または das Häusl (ホイスル)と言われていたり、その小屋が離れていたため静かだったことから das stille Örtchen (シュティレス えァトゥヒェン)とも言われています。
つまり、ドイツ語の「小屋」はトイレを表す場合もあるのです。
●昔のトイレのさまざまな言い方!
その他、屋外に掘った穴の上に板を渡し、そこに座って用を足す der Donnerbalken (ドナーバルケン)とも言われているとか(旦那談)。
昔といえば、汲み取り式トイレ=ぼっとん便所は das Plumpsklo (プルㇺプスクロー)。
plumps は「ぽたん」や「どぼん」などものが落ちるときの音をあらわす擬音語で、ぼっとん便所の“ぼっとん”にあたります。“便所”は先ほどの Klo(クロー)。
ぼっとん + 便所(plumps + Klo)で、ぼっとん便所(Plumpsklo)というわけです。
汲み取り式トイレといえば、工事現場や野外イベントで見かける仮設トイレ。これは、仮設トイレリース業者の名前から das Dixi-Klo (ディクシークロー)、もしくは単に das Dixi (ディクシー)と呼ばれています。
私はこれが苦手で、余裕があるときは近くの Dixi より遠くの水洗トイレへと避けていましたが、最近はコンテナ式の仮設水洗トイレがあるので野外イベントも以前より快適です。ちなみに仮設トイレの外に洗面台があるのですが、手を洗うときは洗面台の下にあるボタンを押すと水が流れてきます。
話が逸れてしまいましたが、他にもトイレを表す言葉として、公共の男性用の小便トイレ由来で die Pinkelbude (ピンケルブーデ)や、便器が陶器でできていることから比喩的に“陶器部門”とか“陶器売り場”と表現した die Keramikabteilung (ケらーミクアップタイルング) なども聞いたことがあります。後者はかなり上品な印象ですね。
次回は、トイレに行きたい時の表現をご紹介します。