一言が通じるだけで世界が広がる! 海外旅行の会話の楽しみ
『旅の指さし会話帳』を使ってきました! <イタリア・ヴェネツィア、ボローニャ編>
指さし会話帳編集担当のHです!
2019年6月に初のヨーロッパ旅行で指さし会話帳を何度も使って来ました!
その第3弾レポートです。
ちゃんと言葉が通じる! 国ごとの文化にも触れる
~指さし会話帳を使うと、いろいろと楽しい~
指さし会話帳を使いながらのヨーロッパ旅行!
第1弾レポートで書いたのですが、最初は初めて行くヨーロッパで、マキアートみたいな言葉が通じて感激でした。でも徐々に、指さし会話帳で通じるのは当たり前だなあ!と余裕を持ちながらの旅行になりました(^-^)
指さし会話帳、やっぱりすごく使えます。
指さし会話帳のおかげで、旅の内容もなかなかにディープです!!
ヴェネツィア、フィレンツェ、ボローニャ、ミラノ。イタリアの4つの都市を旅行した6日間で、指さし会話帳に載っている食べ物をいろいろと試していたら、結局ピザを食べずに終わりました。
チーズや生ハムの切り売りや盛り合わせ、いろいろな種類のサラミ、土地ごとのパスタ、パンに付けるパテ等々、、、食べたいものが多すぎて、結局どこででも食べられるピザを食べる合間がありませんでした。旅先で食べ飽きるヒマがないのはありがたいものです。
国ごとに選ばれた言葉が役に立つ
~数字や食べ物まで、考え抜いた言葉~
実は、『旅の指さし会話帳』シリーズを作る前に、個人的に買っていた旅行会話集のシリーズがありました。
気に入っていたのですが、その国では全然使うことのない言葉が載っているのが残念でした。
インドネシア版に「地下鉄に乗りたい」という言葉が出ていたりしたのです。
インドネシアで地下鉄が開業したのは2019年のこと。私がその会話集を買ったのはその25年くらい前のことでした。
地下鉄などないのに、「地下鉄に乗りたい」という文章が載っている。
国ごとの状況や文化を反映していないので、こういうことが起きるのです。
『旅の指さし会話帳』の初回刊行の3冊、タイ、インドネシア、香港編を作るに当たっては、
各国ごとに必要な言葉をよく考えようと言うことになりました。
たとえば、食べ物の肉でいえば、インドネシアならばヤギ、香港ならばダック(アヒル)やグース(鴨)は重要でした。
タイは話相手に受けることも考えて水牛とトカゲの写真を入れる、、といったページが出来上がっていきました。
売り上げノルマに悩むジャカルタの店長の愚痴を聞く
~指さし会話帳インドネシア・試作版での体験~
そんな試行錯誤をしている最中に、指さし会話帳の試作版を持って旅行に出かけたのが1997年のこと。
「バス停」と話したら、見事に通じて驚いた香港(→第1弾レポート)、
長距離列車で向かい合って座った人から、発音を教えられたタイ(→第2弾レポート)、
この2カ国を経て到着したのがインドネシアのジャカルタです。
ジャカルタに到着して2日目、プラザインドネシアというショッピングモールに行きました。
インドネシアを代表するような高級ショッピングモールです。
そこで、30歳の私より少し若い、24くらいの男子ブディに話しかけられて、一緒にお茶をしました。
ブディはファストフード店の店長をしているようで、スタッフも多くストレスも多いと愚痴っていました。
試作版の指さし会話帳と、お互いにつたない英語もまじえての会話。ブディは月に100“ジュタ”ルピアを売上ないといけないらしいのですが、“ジュタ”がわからない。
そこで指さし会話帳試作版の、数字のページを開くと、juta=ジュタが出ていました。
jutaは100万のことのようです。ということは、100jutaは1億。
つまりブディは店長として月1億ルピアのノルマを抱えていたのです。
当時のレートで、400万円くらい。
おそらくブディは、インドネシアでは成功している若者の1人なのですが、
そのポジションを維持するのもラクではなさそうだなと思わされました。
日本で400万円売りあげるのとは全然違うわけですから。
インドネシアは通貨の単位がかさむので、日本円で万単位の支払いをすれば、100万ルピアの単位も必要となります。
でもまさか、若き店長の苦悩の数字として1億という数字に触れるとは、思ってもみないことでした。
他にも、この旅行では、食べ物ページの「ヤギ」、移動ページの「とめて下さい」などを使ったことも記憶に残っています。
イタリアの街の広場で魚屋を覗く。現地での触れ合いが楽しい!!
~「マグロ」という単語が載っているだけで会話が広がる~
さて、ヨーロッパ旅行の続きです。
ヴェネツィアの2日目、朝の街を歩いたら、広場で魚屋を見つけました。
70近い親父さんと、40手前くらいのお兄ちゃんの二人で、
屋台のような店を出していました。
イタリアの魚、どんなのがあるのかな?と気になります。
ちょっと覗かせてもらうと、すぐに目に入ったのがアンコウ!!
「ヴェネツィアでアンコウ出会うとは!」となんだか新鮮な驚きです。
とりあえずお兄ちゃんに、
「インジャパン、アンコー」と英語で話してみました。
まあ通じるかわかりませんが、日本人もこの魚食べるんだな、くらいは伝わるでしょう。
どうやら、ちゃんと伝わったようで、キモのところを指さして、親指をたてて最高だぜ! みたいなポーズ。
こちらも、親指をたてて最高だぜ!うまいよね、と返事です。
魚屋のお兄ちゃんはさらに何か言ってたのですが、聞き取れたのは「リゾット」そして最高だぜ!のポーズ。
どうやら、アンコーの肝でリゾットを作るようです。確かにうまいでしょうね。
ヴェネツィアはやはり海の町なので、魚をよく食べるんだなあと感じました。
続いて、尾のあたりを輪切りにした大きな魚の切り身。こちらは何か???
よくわからなかったので、ここで『旅の指さし会話帳・イタリア』の登場です。
食べ物ページの魚のところを見せてみると、「マグロ tonno」のところを指さしてくれました。
おお、マグロなんだ!
日本でマグロというと、刺身用のサクで見ることが多いので、ちょっと意外な気がしました。
そして、魚屋の兄ちゃん、何か話していますがよくわからない。
でも英語で日本はマグロがエクスペンシブ(高い)と言っているみたでした。
スマホを取り出すお兄ちゃん。
そして、いろいろ検索して、見せてくれたのは、
すしざんまいの社長がマグロに包丁を入れている写真。
日本のツキジの初セリでマグロが高く売れた、という記事のようでした。
日本みたいに、高く売れてほしいぜ! ということだったみたいです。
その次に目についたのは、アカザエビ、スカンピ(単数形だとスカンポ)です。
実は前日もいろんなレストランで見かけたのですが、これを食べようとすると、
それなりの店で、それなりの料理を食べないといけないので、ちょっと手が出ませんでした。
魚屋では、普通に売られているんだな‼︎ 当たり前だけど不思議な気持ちでした。
また指さし会話帳をお兄ちゃんに見せて、アカザエビのところを指さして、
これだよね! とやってみました(^^)
すると、そのやりとりを見ていた、親父さんが、一匹小さいのを手にとって、
頭と尾を二つに割ると、私に、ほれ食べろ、とすすめてくれたのです!!
そして、明らかに、脳みそを吸えというジェスチャー!!
おお、イタリアでもエビの味噌すすって食べるんだ! と驚きです。
そうして、食べてみたのですが、脳みそ、全然臭みがなくてむちゃくちゃ美味かったです。
尾のほうも、甘エビの甘さと伊勢海老のプリプリ感がある感じ。こちらも最高でした。
指さし会話帳で、ものすごいことを話しているわけではないのですが、
マグロ、みたいな言葉が一つ通じるところから、思ってもみないような発見やラッキーなことにつながる、
そんなことが起こるのです。
謎のリングを発見して質問してみたら意外な答えが!
~旅先で気になるものを発見した時に、指さし会話帳で質問してみる~
ヴェネツィアを出て、フィレンツェへ。
そしてフィレンツェからミラノへ。駆け足で旅行を続けました。
フィレンツェからミラノへ行く途中に立ち寄ったのがボローニャ。
ここはボロネーゼのパスタ、つまり日本でいうスパゲティミートソースのふるさとです。
イタリアへの旅行を決めたときから、なんとかボローニャに少しでも立ち寄って、
ボロネーゼを食べてみたいと考えていました!
ボローニャでの滞在時間は5時間ほど。
無事にボロネーゼのパスタを食べた後、結構時間があまったので、教会に入って、
祭壇や飾られている絵、天井画などを見させていただきました。
なかでもサン・ペトロニオ大聖堂は、
美しいステンドグラスや素晴らしい絵あり、
地獄の絵ありと(人間が逆さ吊りにされたり、悪魔にむしゃむしゃと食べられている)、見どころ満載でした。
この教会を出ようとしたところにお土産ショップがあったので覗いてみました。
そこに、何やらデコボコがついている指輪のようなものがありました。
これは指輪なのだろうか?
いや、宗教的な何か特別なもので、指輪みたいにしたら叱られるようなものかもしれない。
そして、大きさが少しずつ違う。
いったい何だろう???
そこで、ショップのレジにいた60歳くらいの女性店員さんに話しかけてみました。
とりあえず英語で、「ホワットイズディス?」と聞いてみましたが、全然通じません。
いやいや「ホワットイズディス?」くらい、通じてもよいのでは? と思い、
「ビッグ、スモール、ミディアム、ホワット?」とか言ってみましたが、全然通じません。
私的には「大きいの、小さいの、中ぐらいのあるけど、何?」と言ったつもりですが、
こちらの言葉もむちゃくちゃですから。。。
店員さんは、大きいのと中くらいのほしいのね? みたいに言って袋に入れようとするので、
さすがにこれはダメだと、ここで『旅の指さし会話帳イタリア』を見せました。
「動詞・疑問詞」のページに「なに」という言葉が出ているので、それを指さしながら話してみます。
「ケ コーザ?」
これだけで、驚くほど完璧に通じました。
店員さんは、なんだ、そういうことだったのね! という表情で説明してくれます。
指輪状のものにはデコボコがいくつかついていますが、そのうちの一つだけ大きさと形が違います。
大きいところを、ここ、ここ、と見せてくれます。そこは十字架の形になっていました。
「クローチェ」
ああ、そうか、英語ではクロス、イタリア語では十字架はクローチェなんだな。
ちょうど教会の見学中に開いていた「観光」のページを見ると、ちゃんと「十字架 croce クローチェ」と載っています。店員さんに指さして見せると、そうそう、とうなずいています。
そして、店員さんは、指にはめると、十字架を初めにして、突起を一つずつ触るように指輪を回していきます。
「ロザリオ」
ロザリオを皆さんはご存知ですか? 私はクリスチャンの叔母がいて、見せてもらったことがあるのですが、
大雑把にいうと、カトリック信者にとっての数珠で、数珠玉を一つずつ数えながら祈るのです。
つまり、この指輪状のものは、指輪の形のロザリオなのでした。
これを指にはめておけば、いつでもどこでも、ロザリオがあるので、拝めますよ、ということなのでしょう。
いろいろ教えていただいた、この指輪のロザリオを、お土産に二つ買って帰ることにしました。
日本でこれを見せて、何だかわかる人はなかなかいないでしょうから。
ヨーロッパ旅行で歯車が噛み合った瞬間のこと
~指さし会話帳の楽しみ~
ヨーロッパで『旅の指さし会話帳』を使った体験レポートを、3つに分けて書かせていただきました。
指さし会話帳を使って、言葉が通じると、歯車と歯車が噛み合って世界が動き始めるような、
特別な瞬間があります。
今回のヨーロッパ旅行では、そういう瞬間を何度も味わうことができて楽しかったです。
(歯車が噛み合った瞬間、私の頭の中では、ガッコン! と音がします)
また指さし会話帳を使うと、その国の文化の深いところにぶつかったりもします。
国ごとに必要な言葉を選んでいることもあって、びっくりするような発見があったり、
思わぬラッキーなことが起きたりします。
読者の皆さんが、そんな旅行を楽しんでいただくためのヒントに、
このレポートがなりましたら幸いです。
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