おすすめタイ料理「魚の缶詰サラダ」
「旅の指さし会話帳・タイ」著者の加川博之です。
魚の缶詰サラダ(ยำปลากระป๋อง)は、パパっと作れる庶民のお手軽おかずにして定番の一品。「指さしタイ」でも20年前に刊行された第一版の時から入っている。
★魚の缶詰サラダの作り方
缶詰の中身自体はトマトソースに浸ったイワシやサバで、味や香りにはそれほど強烈なタイっぽさはない。が、これをベースにいろいろなスパイスやハーブを加えることによって「辛い、甘い、酸っぱい、塩味」といったタイ料理の4大原則を再現したメチャクチャ美味しい一品へと変貌を遂げる。
加えるのは…
★タイの魚の缶詰(ปลากระป๋อง)
★唐辛子(พริก)
★エシャロット(หอมแดง/らっきょの根っこの「エシャレット」とは違うので注意。紫玉ねぎでも代用可)
★レモングラス(ตะไคร้/根っこの方から薄く斜めに輪切り。細く青い所は固いので使わない)
★マナオの絞り汁(น้ำมะนาว/日本ではライムで代用可。レモンは安価だけど風味がレモングラスとかぶるのでアウト~×)
★ナンプラー(น้ำปลา)
★砂糖(น้ำตาลทราย)
ここまでの★は必須の材料。とりあえずこれさえ混ぜ合わせればベーシックな缶詰サラダができる。
この後の☆は、タイ人がアレンジで追加するものの一例。
☆コブミカンの葉(ใบมะกรูด)
☆タイバジル(ใบโหระพา)*後述
☆ミント(สะระแหน่)
☆タマネギ(หอมใหญ่)
☆トマト(มะเขือเทศ)
☆パクチー(ผักชี)
☆にんにく(กระเทียม)
☆ねぎ(ต้นหอม)
☆しょうが(ขิง)
人によっていろんな作り方があり、วิธีทำยำปลากระป๋องでググると様々なレシピが紹介されている。
筆者オススメはタマネギとコブミカンの葉っぱとミント。あればタイバジルも。
タマネギはタイ産紫タマネギともいうべきエシャロットのかさ増しになり、タイ風サラダ感アップ!コブミカンの葉っぱは千切りにして散らすと柑橘系の香りアップ!ミントとタイバジルはタイサラダの名脇役であり、一味違った風味がパァ~ッと引き立つ。手に入ればぜひ!
★「魚の缶詰=バカボン?」タイ語発音講座
さて、この「魚の缶詰」というタイ語「ปลากระป๋อง」をできるだけ正しい発音に近付けてカタカナ表記すると「プラー(魚)・グラポング(缶詰)」となるが、これを読んでもまず通じない。タイ語の口語では ปลากระป๋อง→plaa grapong のLとRをほぼ省略して発音してしまうからで、実際には paa gapong としか聞こえない。カタカナで書くと「パー・ガポング」。最後の~ng「~ング」は声に乗らないので「パーガポン」となり…「パーガポン」、「パーかポン」「バーカボン」…つまり「バカボン」と聞こえてしまうのですよ!そうあの故赤塚不二夫の名作「天才バカボン」です、はい。
実際、スマホの音声認識でタイ語を『☑』にして「パーガポン」もしくは「バーカボン」と言ってみて下さい。
うまくいけばタイ語でปลากระป๋องがヒットするはず。語尾のポンを尻上がりに言うのがコツ。「スカートの生地(ผ้ากระโปรง)」、「魚のスズキ(ปลากระพง)」や「ドラゴンボール(ดราก้อนบอล)」が出たら発音が違うということで…(汗)
★「タイバジル」とスイートバジル
タイ語のใบโหระพา(ホーラパー)というバジルは、少し前まではスイートバジルと訳されていたと思うけれど、今は英語で「タイバジル」というらしい。マルガリータに乗っているスイートバジルはスーパーでも簡単に手に入るものの、ホーラパーとは全く別物。ホーラパーの表面はツヤがないけれど、スイートバジルはツルツル(下の写真)。風味も全然違う。
とはいえ、全部の食材を揃えるのは難しいので、気軽にアレンジして作ってみてください!