ゲストハウス「Zabutton Cafe / Hostel」
主人・伊藤竜太郎さんインタビュー part 2
外国人観光客が右肩上がりで増加し、ホテル稼働率も上がって予約も取りにくくなり、2020 年の東京オリンピックに向け、外資系から国内チェーン系ホテル、B&B、ホステルなどが新設されはじめている。
そんななか、東京のランドマーク、シンボルでもある東京タワーに一番近い最寄り駅、都営大江戸線・赤羽橋駅に、2 月にオープンしたカフェとホステルを融合させた新しいスタイルの宿泊施設「Zabutton Cafe / Hostel」に注目した。
● 40 歳までに何かやりたい! 東京にゲストハウスを作ることを決意
――そもそも、なぜゲストハウスを作ろうと……
「今年40 歳になるのですが、漠然と『40 歳までに何か始めよう』と思っていたところがあり、何かやるのであれば台北の〝環浪商號〟のようなゲストハウスを東京に作りたい、と思いました。海外には様々なスタイルの魅力的なゲストハウスがある。
では、自分が生まれ育った東京の状況はどうだろう? と考えました。それが充実したものとは言えないならば、自分で作ろうと思ったわけです。」
――計画から開業まで、どのくらいの時間を費やしたのでしょう?
「物件を探し始めたのが2013 年、最初は渋谷あたりで探していたんですが、手頃な物件がなくて断念。次に羽田空港からのアクセスが便利な浜松町近辺を探していた時、たまたまこのビルの前を通りかかって、ここがいいいかもと交渉をはじめました。
よかったのはビルのオーナーがアメリカの方で、ゲストハウスに理解があって快諾をいただきました。それから内装工事に半年ほどかけて、ようやく今年2月の開業にこぎつけました。」
――カフェには座敷があって、そこに文机と座布団が置いてあったり……
内装に時間がかかったのは、こうしたこだわりがあったからでしょうか?
「そうですね。それよりもまずは用意していたお金は限られていたので、できるだけ業者に頼らず、天井や床をはがすところから始まって、ペンキ塗りに配管、棚付けなどなど、できることは全部仲間の手も借りてやったので。去年の夏休みには桑沢デザイン研究所の学生さん達にも手伝ってもらったりしました。結果的に日本に来るお客さんに喜んでもらうために、畳の部屋を作ったり、ベッドの形を工夫したり、いろんなところにこだわることができたと思います。」
――時間がかかったものの、思い通りに進んだ……
「それがそうでもないんです。実は、当初考えていたよりもかなりお金がかかりました。」
――カフェに座敷を設けたり、文机があったりと、こだわりが多すぎた?
「いえ。一番大きかったのは防火基準ですね。一般の住居ではなく宿泊施設、商業施設になるため、窓をすべて防火サッシに換えることになりました。さらに扉は鉄製を採用する必要がありました。トイレの数も足りないということで、追加しなければならなくなったり。」
――法律が厳しいんですね
「実は、その辺の基準をクリアせずに営業を始めてしまうところもあるそうです。でも、そういう宿は、お客さんが再び訪ねてきてくれても営業停止になっている可能性が高い。自分も旅先でそういうガッカリをだいぶ味わったので、自分がゲストハウスを始める時は、最初からきちんとして始めたかった。そういう理由もあって、法的な面はかなりきっちりやりました。」
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